北アイルランド
政治的背景 権利、安全保障、機会均等 アイルランド国際基金(IFI)
1980〜1990年代 武装解除 イギリス議会への代表派遣
多党間協議 安全保障 欧州議会
聖金曜日協定とその実施 警察と公正 地方政治
支持宣言 囚人 人口
憲法問題 妥当性確認・履行・見直し  

What's New

聖金曜日協定(1998年)とその実施
1998年4月10日の金曜日、参加者全員の会談によって包括的な合意にこぎ着くことができた。両国政府はその後直ちに新しいイギリス・アイルランド協定に署名し、多党間協議の合意条項、特に憲法改正と新制度創設に関わる条項を実行に移すことにした。

1998年5月22日、アイルランドの国民は南北それぞれで実施された国民投票によって、聖金曜日協定を圧倒的多数で支持した。北アイルランドでは71.1%が和平合意を支持し、南では94.4%が政府の和平合意調印に賛成票を投じた。南北を合わせると有権者の85%が賛成したことになる。これは、1918年にアイルランドの全住民が自らの将来を決定するために投票して以来、初めての国民投票であった。

以降、合意協定の完全実施へ向けた進展があった。両国政府はいくつかの重要な分野(たとえば、準軍事組織の武装解除や、公共機関の安定した包括的運営など)に於ける困難を克服しなければならなかったが、両国の緊密な協力によって進展が見られたのである。
聖金曜日協定(またはベルファスト合意)は11条からなっている。
▲ Back to Top

支持宣言
この合意協定は支持宣言で始まり、参加者は非暴力・協調・平等・相互尊重などの基本原則を遵守することを明確に宣言している。
▲ Back to Top

憲法問題
憲法の問題をめぐっては、両国政府は、住民自決と合意の原則に基き、北アイルランドは英国の一部であること、アイルランドの統一は南北アイルランド住民の過半数の合意によって達成されるという共通認識を明記した。アイルランド憲法と英国憲法はこれらの原則を反映するよう改正された。住民がアイルランド人・イギリス人のどちらか、またはその両方になることを選ぶ権利も確立された。

第1条
この合意協定に基づき、北アイルランドでは、議会が社会・経済政策の広範な領域で立法権を行使し、行政委員会が行政権を履行する。その大臣は政党比率に応じて任命され、議会の重要決議は全地域の支持によってのみ採用される。

新しい議会の108の議席をめぐる選挙が1998年6月25日に実施され、その権限は1999年12月2日に委譲された。議会は委譲された権限を社会・経済の広範な領域で行使し、行政権は10名の大臣からなる行政委員会に移行された。新しい行政省は次の通りである。農業省、文化芸術余暇省、教育省、産業貿易投資省、環境省、財務人事省、保健社会事業公安省、雇用学習省、地域開発省、社会開発省。
現在、大臣の政党比率は、UUPが3名、SDLP3名、DUP2名、シン・フェイン党2名である。これに加えて首相と副首相がおり、経済政策と平等問題を担当している。

第2条
南北間については南北閣僚評議会(NSMC)が設置され、アイルランド政府と北アイルランド政権が共に相互の利害に関する事項を協議しながら一致協力して行動する一方、アイルランド全島レベルで様々な活動を行う6つの執行委員会を監督している。

1998年12月、執行委員会が取り扱う6つの分野について合意に達した。上下水道、食品安全性、通商事業開発、EU特別プログラム、言語(アイルランド語とアルスター・スコッツ)、養殖漁業・海事である。また、既存の組織を通じ協力する6つの分野(輸送、農業、教育、保健医療、環境、観光)についても合意に達した。また、1999年3月には、南北閣僚評議会と執行委員会のための追加合意条項が両国政府の間で署名され、この組織は1999年12月2日に正式に権限を承認された。様々な分野でのNSMCの閣僚級会議は定期的に開かれ、またNSMCの総会は毎年2回開催されている。

第3条
東西レベルでは、イギリス・アイルランド協議会(BIC)が設置され、両国政府の各代表と北アイルランド・スコットランド・ウェールズ・マン島・チャネル諸島の各自治政府代表が構成メンバーとなり、これらの島々の人々の関係の調和と、相互に利益を生む形で発展することを目指している。BICは閣僚級会議やサミットなど、様々な形で会議を行う。

イギリス・アイルランド政府間評議会は合同書記局を基盤とするもので、両国政府が利害の共通するあらゆるレベルの問題や北アイルランド政権に委譲されていない問題について、両国間の協力を目指すものとして設置された。
▲ Back to Top

権利、安全保障、機会均等
人権と平等をめぐる問題についても新たな条項が合意に盛り込まれた。人権委員が双方の司法組織内に設立され、合同委員会を形成し、アイルランド全島の人権問題解決に協力して取り組んでいる。1999年10月1日には北アイルランド平等委員会が活動を開始した。北アイルランドの政府諸機関に対して、職務遂行時の機会均等を促進するよう法的義務を定めた法律が施行された。南のアイルランド政府は、職場の内外の差別問題に取り組むため、雇用と地位の平等に関する法律を強化した。

両国政府は紛争犠牲者を世話する委員会を設置して、和解基金を創設、アイルランド政府は和解と相互理解のために活動する組織へ向けた資金を8倍に増やした。
▲ Back to Top

武装解除
この合意には、全ての政党が準軍事組織の武装解除を達成するために、ド・シャートラン将軍率いる国際武装解除委員会(IICD)と建設的にまた誠意をもって活動するとの誓いが述べられている。2001年8月にIICDはIRAとの間で、武装解除のための計画が合意に達し、2001年10月23日、IRAは計画が実行されたことを宣言した。
▲ Back to Top

安全保障
合意の中でイギリス政府は、北アイルランドをできるだけ速やかに正常な安全保障状態に戻すことを明言した。合意達成後の一定期間で、軍隊の人員と警察の巡察レベルが引き下げられ、いくつかの軍事施設が撤去された。2001年8月、イギリス政府は、武装放棄による脅威レベルの減少は、軍の部隊水準を下げ軍事施設を撤去させる前向きな移行措置を可能にするだろうと述べた。
▲ Back to Top